手稲駅(ていねえき)は、北海道札幌市手稲区手稲本町1条4丁目にある、北海道旅客鉄道(JR北海道)函館本線の駅である。駅番号はS07。電報略号はテネ。事務管理コードは▲130121。副駅名は「北海道科学大学 最寄駅」。快速「エアポート」「ニセコライナー」をはじめとする全定期旅客列車が停車する。
歴史
当駅は1880年(明治13年)に設置された。当時は乗客があるときだけ旗の合図で停車する簡易停車場(フラグステーション)だったが、1884年(明治17年)に普通停車場に変更された。1934年(昭和9年)に改築された駅舎は、皮がついたままの丸太を用いた山小屋風の建物で、現在の駅舎ができるまで駅舎横に保存してあった。1960年代から周辺地域の人口が増加すると利用者数が著しく増えた。
西側に位置する札幌運転所とは出入庫線で繋がっており、当駅を始発・終着とする列車が多く設定されているほか、当駅 - 札幌駅間では、昼夜を問わず札幌と道内外とを結ぶ優等列車の回送列車や、それを活用したホームライナーが多く運転されている。
JR北海道
- 1880年(明治13年)
- 11月18日:官営幌内鉄道 開運町駅(現在の南小樽駅) - 当駅間の試験開業に伴い、同線の軽川駅として仮開業。
- 11月28日:官営幌内鉄道 手宮駅 - 札幌駅間の開通に伴い、正式開業。簡易停車場(フラグステーション)。
- 1881年(明治14年)10月:貨物の取扱いを開始。
- 1883年(明治16年):営業休止。
- 1884年(明治17年):営業再開。一般駅に昇格し、軽川駅(かるがわえき)となる。
- 1888年(明治21年)4月:官営幌内鉄道が北有社に運輸業務を譲渡。
- 1889年(明治22年)12月11日:北有社の事業譲渡に伴い、北海道炭礦鉄道に移管。
- 1906年(明治39年)10月1日:北海道炭礦鉄道の国有化に伴い、国有鉄道に移管。
- 1909年(明治42年)
- 8月25日:当駅を含む、国有鉄道 銭函駅 - 札幌駅間が複線化。
- 10月12日:国有鉄道線路名称制定に伴い、函館本線の駅となる。
- 1912年(明治45年)5月:駅裏に日本石油北海道製油所創業。専用線使用開始。
- 1934年(昭和09年)1月22日:2代目の駅舎に改築。
- 1945年(昭和20年)7月15日:日本石油北海道製油所が米軍によって爆撃破壊され、操業停止。戦後に再開。
- 1949年(昭和24年)6月1日:日本国有鉄道法施行に伴い、日本国有鉄道(国鉄)に継承。
- 1950年(昭和25年)6月:日石製油所が精製を廃止し、原油タンクのみ稼働。同社秋田製油所へタンク車で輸送。
- 1952年(昭和27年)11月15日:手稲駅(ていねえき)に改称。
- 1959年(昭和34年)10月25日:駅裏の日石製油所敷地隣に三楽オーシャン(現・メルシャン)札幌工場創業。専用線使用開始。
- 1960年(昭和35年):日石製油所が閉鎖。
- 1965年(昭和40年)9月1日:当駅に接続する形で札幌運転所を開所。
- 1968年(昭和43年)8月28日:函館本線のうち、当駅を含む小樽駅 - 滝川駅間が電化(交流20,000V・50Hz)。
- 1980年(昭和55年)7月1日:貨物の取扱い廃止(旅客駅となる)。
- 1982年(昭和57年)4月1日:3代目の駅舎に改築、橋上駅舎化。北側に隣接する三楽オーシャン保有の工場跡地を利用し北口広場開設。
- 1985年(昭和60年)3月14日:荷物の取扱い廃止。
- 1987年(昭和62年)
- 3月31日:戸籍上貨物営業再開(一般駅に戻る)。ただし貨物列車の設定はない。
- 4月1日:国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道(JR北海道)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅となる。
- 6月:駅構内に北欧JR手稲店が開店。
- 1988年(昭和63年)
- この年:ツインクルプラザ(旅行センター)が開店。
- 11月:構内配線を2面3線から2面4線に改良完了。また、2代目駅舎がさっぽろ・ふるさと文化百選(「No.046 旧軽川駅舎」)に選定。
- 1993年(平成05年)8月20日:1番ホームからの平日朝ラッシュ時限定の学生用臨時出口を設置。
- 1998年(平成10年)
- 6月:駅舎改築工事に着手。
- 12月5日:自動改札機を設置し、供用開始。
- 1999年(平成11年)
- 6月:2代目駅舎を解体。
- 10月1日:仮駅舎の使用を開始。合わせて3面4線から2面4線に変わる。
- 2002年(平成14年)5月25日:手稲駅周辺地区交通結節点整備事業(札幌市の街路事業)に伴う駅舎全面改築完了、4代目新駅舎供用開始(総工費50億円)。手稲駅周辺地区交通結節点整備事業(札幌市の街路事業)に伴う自由通路「あいくる」完成(総工費22億円)。
- 2006年(平成18年)4月1日:JR貨物の駅が廃止され、貨物の取扱いが終了。
- 2007年(平成19年)10月1日:駅ナンバリングを実施(S07)。
- 2008年(平成20年)10月25日:Kitaca導入。当駅を含む9駅でサービス開始記念Kitaca(無記名)発売。
- 2009年(平成21年)
- 3月14日:Kitacaの電子マネーサービスが開始され、駅構内の自動販売機・コインロッカー・キヨスクで利用可能となる。Suicaとの相互利用開始。
- 10月14日:手稲区区制20周年記念入場券(800円、限定1000セット)を発売。
- 10月16日:駅構内にスウィーツショップ「ココロノ.イロ」が開店。
- 2010年(平成22年)
- 11月1日:「ココロノ.イロ」の後継店舗として、スウィーツショップ「Sweets Station」が開店。
- 2012年(平成24年)
- 2月27日:スウィーツショップ「Sweets Station」が閉店。
- 4月1日:てもみんステーションが開店。
- 2014年(平成26年)8月30日:駅構内全面禁煙化。
- 2015年(平成27年)10月22日:指定席券売機導入。
- 2017年(平成29年)3月18日:ツインクルプラザ(旅行センター)が閉店。
- 2018年(平成30年)11月2日:PUDOステーションを設置。
- 2019年(令和元年)10月5日:副駅名称として「北海道科学大学 最寄駅」を設置。
- 2020年(令和02年)
- 3月2日:ChargeSPOTを設置。
- 5月30日:北欧JR手稲店が閉店。
- 8月31日:キヨスクが閉店。
- 10月27日:北欧・キヨスクの後継にセブン-イレブン北海道ST手稲店が開店。
- 2022年(令和4年)6月15日:てもみんステーションが閉店。
- 2023年(令和5年)6月30日:てもみんステーションの後継に農家の息子手稲駅店が開店。
軽石軌道
- 1922年(大正11年)10月28日:軽石軌道 当駅 - 花畔駅間の開通に伴い、同線の軽川駅が開業。
- 1937年(昭和12年)9月:軽石軌道の営業休止。
- 1940年(昭和15年)10月23日:軽石軌道の廃線に伴い、同線の軽川駅が廃止。
駅名の由来
当初の駅名であった「軽川(かるがわ/がるがわ)」は付近の川の名称からついたもので、夏に涸れる川であったことから「涸る川」の意で付いた名称である。
その後、1952年(昭和27年)に当時の所在自治体の町政施行(手稲村→手稲町)に合わせ駅名を改称した。
駅構造
2面4線の島式ホーム(2面ともホーム長:135m)を有する橋上駅。北東側が北口、南西側が南口で、北口からは手稲区役所と西友手稲店に2階建ての連絡通路が通じる。
ホーム有効長が6両分のため、長編成の回送列車や一部のホームライナーはホームからはみ出して停車する。なお、1999年(平成11年)に実施された駅改良工事以前は3面4線の構造だった。
終日社員配置駅で、みどりの窓口を備える。Kitacaチャージ機、自動券売機・指定席券売機、話せる券売機、自動改札機、デジタル公衆電話(国内専用)、AEDが設置されている。
管理駅として函館本線の琴似駅 - ほしみ駅間を管理している。
2014年(平成26年)8月30日より、駅構内は全面禁煙となっている。
のりば
- 南口側より記載
- ※1:快速列車は上下各本線に発着する。
- ※2:下り方向の当駅始発列車や折り返し列車の一部も発着する。
駅構内の店舗・施設
- みどりの窓口
- コインロッカー(Kitaca対応)
- セブン-イレブン北海道ST手稲店
- 農家の息子手稲駅店
- ゆうちょ銀行ATM(札幌支店JR手稲駅内出張所)
- 駅ナカBANK(北海道銀行・北洋銀行)
- PUDOステーション
かつてあった店舗・施設
- ココロノ.イロ - 2009年(平成22年)10月16日開店、2010年(平成22年)10月閉店
- Sweets Station - 2010年(平成22年)11月1日開店、2012年(平成24年)2月27日閉店
- ツインクルプラザ手稲支店 - 2017年(平成29年)3月18日閉店
- 北欧JR手稲店 - 1987年(昭和62年)6月開店、2020年(令和2年)5月30日閉店
- コンビニキヨスク手稲店 - 1987年(昭和62年)7月1日開店、2020年(令和2年)8月31日閉店
- てもみんステーションJR手稲駅店 - 2012年(平成24年)4月1日開店、2022年(令和4年)6月15日閉店
あいくる
駅舎に併設される形で、線路で分断された駅南北の市街地および各種施設(下記参照)を繋ぐ「あいくる」という愛称の自由通路(ペデストリアンデッキ)が設置されている。
建設・管理は札幌市が行い、2002年(平成14年)5月25日に新駅舎とともに供用が開始された。総工費は22億円。
通路内には展示スペースのほか、國松明日香の彫刻「雪だるまをつくる人」が置かれている。
「あいくる」は、英語で「通路」を意味する「aisle」に、「出会い」・「愛くるしい」・「来る」の意味がかけられている。
利用状況
2023年(令和5年)度の1日平均の乗車人員は13,431人である。JR北海道の駅の中では、札幌駅(函館本線)、新千歳空港駅および新札幌駅に次いで4番目に利用者数が多い駅である。
JR北海道が発足した1987年(昭和62年)度から2015年(平成27年)度までの29年間、札幌駅に次いで2番目に利用者が多い駅であったが、2016年度に新千歳空港駅に抜かれ初めて3位となり、以降2019年(令和元年)度まで3位となっている。2020年(令和2年)初めからの新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、手稲駅の利用者は減少したものの、航空需要に依存する新千歳空港駅の減少がより著しく、2020年(令和2年)度から2021年度にかけては再び逆転しJR北海道管内で2番目に利用者が多い駅となっていた。
手稲駅発着のスクールバスを設ける高校・大学が多く、朝・夕は学生も多く見られる。
石狩市・小樽市からも利用客を集め、サッポロテイネ、スノークルーズ・オーンズ等への行楽客の利用もあり、年中利用客で溢れている。
また、人口3,000人規模(予定)のニュータウン「明日風のまち」も手稲区北部に誕生し、今後も利用者の増加が見込まれる。
駅周辺
南口・北口にそれぞれ駅前広場(バスのりば)があり、札幌都心をはじめ西区・北区・石狩市・小樽市方面へのバスが数多く発着している。北口の駅正面には広い駐車場があり、それをはさんで手稲区役所、手稲区民センター、手稲保健センターがある。
南口
- 国道5号(北5条手稲通)
- 手稲駅前通
- 二十四軒手稲通
- 札樽自動車道手稲インターチェンジ
- 手稲駅前ビル(直結)
- 手稲ステーションホテル
- テイネ1.4ビル(直結)
- キテネビル(直結)
- キテネ食品館(全日食チェーン)
- ジェイ・アール北海道バス バスチケットセンター手稲店
- 手稲駅前プラザ南ビル
- メディカルスクエア手稲
- クリーンリバーフィネス手稲ステーションフロント
- ミリオンスカイ・手稲ステーション
- 札幌方面手稲警察署手稲交番
- 札幌市手稲消防署
- 札幌市手稲コミュニティセンター
- NTT東日本手稲電話交換所
- 北洋銀行新手稲支店
- 北海道信用金庫手稲駅前支店
- 北央信用組合手稲支店
- 手稲本町郵便局
- 手稲神社
- サッポロスターライトドーム
- ちょい寝ホテル札幌手稲
- 北海道札幌稲雲高等学校
- 札幌市立手稲中央小学校
- 札幌市立手稲中央幼稚園
北口
- 北海道道44号石狩手稲線(石狩手稲通)
- 樽川通
- 手稲駅西通
- 手稲緑道
- 札幌市手稲区総合庁舎(直結)
- 手稲区役所
- 手稲区民センター
- 手稲保健センター
- メルシャン・プラースビル(直結)
- イオン札幌手稲駅前店
- GiGOイオン札幌手稲駅前ショッピングセンター
- 手稲楽市ビル
- 北海道銀行手稲支店
- 北洋銀行手稲中央支店
- 北門信用金庫手稲前田支店
- 北海道信用金庫手稲支店あけぼの出張所
- 北海道労働金庫札幌手稲支店
- 手稲郵便局
- 手稲駅前郵便局
- 札幌市農業協同組合(JAさっぽろ)手稲支店・西経済センター
- 手稲渓仁会病院
- パボッツ手稲(新和手稲前田ビル)
- スポーツクラブジョイフィット札幌手稲前田
- ペットランド手稲前田店
- 手稲鉄北ショッピングセンター
- ジェイ・アール生鮮市場手稲前田店
- サッポロドラッグストアー手稲前田2条店
- シャトレーゼ手稲店
- コメダ珈琲店手稲前田店
- ブランJR手稲
- 札幌市手稲曙温水プール
- 札幌市曙図書館
- 札幌市手稲区体育館
- 札幌市手稲老人福祉センター
- 前田森林公園
- 北海道警察本部札幌運転免許試験場
- 北海道科学大学
- 北海道科学大学高等学校
- 北海道札幌手稲高等学校
- 札幌市立手稲鉄北小学校
- 北海道札幌高等養護学校
- ドン・キホーテ手稲店
- スーパーセンタートライアル手稲店
バス路線
手稲駅の南北の出入口それぞれに停留所が併設されている。
乗り入れる路線バス事業者は、ジェイ・アール北海道バス札樽線と北海道中央バス石狩営業所である。
「手稲駅北口」停留所
- 1番のりば
- 北海道中央バス
- 宮47 手稲線:宮の沢駅(宮の沢バスターミナル)行
- 2番のりば
- 北海道中央バス
- 宮47 手稲線:花川南5条1丁目・花畔行
- 43 手稲線 花畔行
- 麻41 手稲麻生線:麻生駅行
- 石狩新港西線:石狩新港団地行
- 3番のりば
- ジェイ・アール北海道バス
- 手40・手41 山口団地線:手稲山口団地行
- 循環手40・循環手41・循環手48 山口団地線:手稲駅北口行
- 手80 試験場線:(運転免許試験場経由)星置駅行
- 手81・手82 試験場線:星置通行
- 手84 明日風線:明日風3丁目行
- 手85 明日風線:星置駅行
- 手90 試験場線:運転免許試験場行
- 4番のりば
- ジェイ・アール北海道バス
- 宮49・宮49-1 新発寒線・宮74 稲積線:地下鉄宮の沢駅前行
「手稲駅南口」停留所
- 1番のりば
- ジェイ・アール北海道バス
- 宮42 発寒団地線・宮45 山口団地線:手稲山口団地行
- 宮44 山口線:あすかぜ高校前行
- 55 手稲線:手稲営業所前行
- 快速64 手稲線(ていねライナー):手稲鉱山通行
- 57・宮57 手稲鉱山線:手稲鉱山行
- 宮59 星置線:星置駅行
- 宮65・手65 小樽線:小樽駅行
- 2番のりば
- ジェイ・アール北海道バス
- 宮42 発寒団地線・宮44 山口線・宮45 山口団地線・宮55 手稲線・宮57 手稲鉱山線・宮58 富丘線・宮59 星置線・宮65 小樽線:地下鉄宮の沢駅前行
- 55・55-1 手稲線・57 手稲鉱山線・快速64 手稲線(ていねライナー):JR札幌駅行
- 3番のりば
- ジェイ・アール北海道バス
- 手70 ていね山線(期間限定運行):テイネハイランド行(冬季)・手稲山ロープウェイ行(夏季)
手稲駅が登場する作品
楽曲
- 『鉄道唱歌』(北海道篇 北の巻 4番) - 作詞:大和田建樹、作曲:田村虎蔵、1907年(明治40年)6月
隣の駅
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- ■函館本線
- 稲穂駅 (S08) - 手稲駅 (S07) - 稲積公園駅 (S06)
かつて存在した路線
- 軽石軌道
- 軽石軌道線
- 軽川駅 - 新川駅
脚注
注釈
出典
報道発表資料
新聞記事
利用状況
- JR北海道各種データ(北海道旅客鉄道)
- 札幌の都市交通データ(札幌市)
参考文献
- 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳 - 全線・全駅・全廃線』 1 北海道、新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790019-7。
- 本久公洋(著)『北海道鉄道駅大図鑑』北海道新聞社、2008年。ISBN 978-4-89453-464-3。
関連項目
- 日本の鉄道駅一覧
- 北海道旅客鉄道の鉄道駅一覧 (電報略号順)
- 軽石軌道
- 宮の沢駅 (札幌市営地下鉄) - 代替輸送の指定駅。直結していない。
外部リンク
- 手稲|駅の情報検索(時刻表・バリアフリー)|鉄道・きっぷ|JR北海道- Hokkaido Railway Company
- 手稲駅周辺バスのりば(ジェイ・アール北海道バス)




