Microsoft Windows 10のバージョン履歴では、Microsoft Windows 10のバージョンアップに伴う更新履歴を記述する。
なお、本稿に記されている日付は米国東部時間(UTC-5、JST-14)に基づくため、日本における実際の配信日は時差の関係上翌日となる。
アップデートとサポート
2015年7月にリリースされて11月には最初の大型アップデートが配信され、2016年は1周年記念としてAnniversary Updateが配信された。
2017年から2021年までは新しいアップデートが定期的(年2回)に提供されていたが、2021年11月のバージョン21H2の提供開始の時に後継のWindows 11のリリース サイクルに合わせて年1回の下半期にリリースされることが発表された。
バージョン 22H2がWindows 10の最終バージョンになることが発表され、Windows 10の機能更新が終了となる。
Windows 10 (Home・Pro・Enterprise・Education)
エディション(Home, Pro, Pro Education, Pro for Workstations および IoT Core)のサポート終了日は、リリースから18か月後。
エディション(Enterprise, Education および IoT Enterprise)のサポート終了日は、上半期リリース(○○H1)は18か月、下半期リリース(○○H2)は36か月。
Windows 10 LTSB/LTSC エディション(Enterprise および IoT Enterprise)
各リリースは合計で約10年間サポートされ (5 年間の標準サポートと 5 年間の延長サポート)、サポート終了日はリリースから約10年後に設定されている。。
バージョン履歴
Windows 10 のメインストリーム ビルドには"YYMM" というラベルが付けられており、YY は 2 桁の年を表し、MM はリリース予定の月を表す。たとえば、バージョン1507は2015年7月にリリースされたビルドを表す。なお、バージョン20H2以降、Windows 10 リリースの命名法は年と月のパターンから年と半年(H1とH2)のパターン (YYH1、YYH2) に変更された。
Windows Technical Preview
バージョン 1507
2015年7月15日にWindows Insider向けに配信され、2015年7月29日に一般リリースされた、Windows 10の最初のバージョンである。コードネームはThreshold 1、安定版のOSビルドは10240である。
当初このバージョンには特段の名前がなかったが、次期バージョンであるバージョン 1511が作られた際に、さかのぼって「バージョン 1507」と命名された。
バージョン 1511
2015年11月12日に公開された、Windows 10で最初の大型アップデートで、コードネームは「Threshold 2」、安定版のOSビルドは10586である。一般向けの名称はWindows 10 November Update。 これは、Windows 10 の 2 番目のバージョンで最初のメジャー アップデートである。
Home/Pro エディションは2017年10月10日で、Enterprise/Education エディションは2018年4月10日で、それぞれサポートが終了した。
バージョン 1607
2016年8月2日に公開された、Windows 10 発売1周年記念の大型アップデート。コードネームは「Redstone 1」、安定版のOSビルドは14393である。一般向けの名称はWindows 10 Anniversary Update。 これは、Windows 10 の 3 番目のバージョンで 2 番目のメジャー アップデートである。
Home/Pro エディションは2018年4月9日で、Enterprise/Education エディションは2019年4月9日で、それぞれサポートが終了した。
また、このバージョンにはLTSB 版があり、これは10年後の2026年までサポートが継続される。
バージョン 1703
2017年4月5日に公開された、Windows 10の大型アップデートで、コードネームは「Redstone 2」、安定版のOSビルドは15063である。一般向けの名称はWindows 10 Creators Update。 これは、Windows 10 の 4 番目のバージョンで 3 番目のメジャー アップデートである。
Home/Pro エディションは2018年10月9日で、Enterprise/Education エディションは2019年10月8日で、それぞれサポートが終了した。
また、このバージョンより、初期のプレビュー版のブランチ名が「rs_prerelease」となり、OS ビルドの小数点以下が1000番台になった。
バージョン 1709
2017年10月17日に公開されたWindows 10の大型アップデートで、コードネームは「Redstone 3」、安定版のOSビルドは16299である。一般向けの名称はWindows 10 Fall Creators Update。 これは、Windows 10 の 5 番目のバージョンで 4 番目のメジャー アップデートである。
Home/Pro エディションは2019年4月9日で、Enterprise/Education エディションは2020年10月13日で、それぞれサポートが終了した。
バージョン 1803
2018年4月30日に公開されたWindows 10の大型アップデートで、コードネームは「Redstone 4」、安定版のOSビルドは17134である。一般向けの名称はWindows 10 April 2018 Updateで、これ以後大型アップデートの名称は公開年月から付けられることになった。 これは、Windows 10 の 6 番目のバージョンで 5 番目のメジャー アップデートである。
Home/Pro エディションは2019年11月12日で、Enterprise/Education エディションは2021年5月11日で、それぞれサポートが終了した。
バージョン 1809
2018年秋に公開された(リリース日については後述)Windows 10の大型アップデートで、コードネームは「Redstone 5」、安定版のOSビルドは17763である。一般向けの名称はWindows 10 October 2018 Update。 これは、Windows 10 の 7 番目のバージョンで 6 番目のメジャー アップデートである。
このバージョンは当初2018年10月3日に一般公開されたが、公開された更新プログラムの適用後にユーザーフォルダ内の「ドキュメント」(C:\Users\(ユーザー名)\Documents)の中身が消失する不具合が発生し、10月6日、一旦公開が停止され、Windows Insider Program内限定の配信に戻された(すでにアップデートしてしまった一般ユーザーには更新プログラムの配信を継続)。その後このバグの修正が確認されたため、2018年11月13日に再公開された。
Home/Pro エディションは2020年11月10日で、Enterprise/Education エディションは2021年5月11日で、それぞれサポートが終了しているが、LTSC版のみ2029年までサポートされる。
バージョン 1903
2019年5月21日に公開されたWindows 10の大型アップデートで、コードネームは「Titanium」となり、これまでの命名法を一新した。以降の大型アップデートはこれを起点に元素名を付けていく方針となり、これはWindows 11にも続いている。セメスターは19H1、安定版のOSビルドは18362で、一般向けの名称はWindows 10 May 2019 Update。 これは、Windows 10 の 8 番目のバージョンで 7 番目のメジャー アップデートである。
この年からサポート期間が変更され、下半期リリースのバージョンはこれまで同様Home/Proエディション18ヶ月、Enterprise/Educationエディション30ヶ月のサポートとなるが、上半期リリースのバージョンは全エディション18ヶ月のみのサポートとなった。このため本バージョンも、2020年12月8日をもって、全エディションのサポートが終了した。
バージョン 1909
2019年11月12日に公開されたWindows 10の小規模な大型アップデートで、コードネームは「Vanadium」、セメスターは19H2、安定版のOSビルドは18363である。一般向けの名称はWindows 10 November 2019 Update。 これは、Windows 10 の 9 番目のバージョンで 8 番目のメジャー アップデートである。
このバージョンは、「有効化パッケージ」(EKB)を使用した新方式で提供された。この方式では、新バージョンの機能は旧バージョンの通常の定例アップデートで配信され、デバイスにインストールされる。ただしこの時点では新機能は無効になっており利用できない。ここに「有効化パッケージ」をインストールすることで、初めて新機能が有効になり、新バージョンへのアップデートが完了するのである。
従って、新旧のバージョンのシステムは全く同じであり、大型アップデートに従来のような長い時間をかける必要がない。一方で、デザインの再設計を含むような大規模なアップデートはこの方式ではできないため、「有効化パッケージ」を用いたアップデートは、比較的小規模なものになる。
Home/Pro エディションは2021年5月11日で、Enterprise/Education エディションは2022年5月10日で、それぞれサポートが終了した。
バージョン 2004
2020年5月27日に公開されたWindows 10の大型アップデートで、コードネームは「Vibranium」、セメスターは「20H1」であり、安定版のOSビルドは19041である。一般向けの名称はWindows 10 May 2020 Update。 これは、Windows 10 の 10 番目のバージョンで 9 番目のメジャー アップデートである。
システムの変更を伴うWindows 10の大規模な大型アップデートとしては最後のもので、バージョン 2004以後の4バージョンは全てバージョン 2004に「有効化パッケージ」を適用したものである。なお有効化パッケージについては、バージョン 1909の項目を参照。
バージョン 20H2
2020年10月20日に公開されたWindows 10の小規模な大型アップデートで、安定版のOSビルドは19042である。一般向けの名称はWindows 10 October 2020 Update。このバージョンより、セメスターと一般向けバージョン名が同一となったが、互換性の問題により、システム内部では本バージョンは「バージョン 2009」として処理されている。 これは、Windows 10 の 11 番目のバージョンで 10 番目のメジャー アップデートである。
このバージョンは、「有効化パッケージ」(EKB)を使用した方式で提供された。この方式では、バージョン 20H2の機能はバージョン 2004の通常の定例アップデートで配信され、デバイスにインストールされる。ただしこの時点では新機能は無効になっており利用できない。ここに「有効化パッケージ」をインストールすることで、初めて新機能が有効になり、バージョン 20H2へのアップデートが完了するのである。 従って、新旧のバージョンのシステムは全く同じであるので、バージョン 20H2へのアップデートは短時間で終了する。一方で、デザインの再設計を含むような大規模なアップデートはこの方式ではできないため、本アップデートは比較的小規模なものになっている。
Home/Pro エディションは2022年5月10日で、Enterprise/Education エディションは2023年5月9日で、それぞれサポートが終了した。
バージョン 21H1
2021年5月18日に公開されたWindows 10の小規模な大型アップデートで、安定版のOSビルドは19043である。一般向けの名称はWindows 10 May 2021 Update。このバージョンでも、セメスターと一般向けバージョン名は同一であるが、互換性の問題により、システム内部では本バージョンはバージョン 20H2同様「バージョン 2009」として処理されている。 これは、Windows 10 の 12 番目のバージョンで 11 番目のメジャー アップデートである。
このバージョンは、「有効化パッケージ」(EKB)を使用した方式で提供された。この方式では、バージョン 21H1の機能はバージョン 2004やバージョン 20H2の通常の定例アップデートで配信され、デバイスにインストールされる。ただしこの時点では新機能は無効になっており利用できない。ここに「有効化パッケージ」をインストールすることで、初めて新機能が有効になり、バージョン 21H1へのアップデートが完了するのである。 従って、新旧のバージョンのシステムは全く同じであるので、バージョン 21H1へのアップデートは短時間で終了する。一方で、デザインの再設計を含むような大規模なアップデートはこの方式ではできないため、本アップデートは比較的小規模なものになっている。
2022年12月13日をもって、全エディションのサポートが終了した。
主な新機能は次の通り。
- Windows Hello のマルチカメラ サポートを追加
- タスクバーの新しい「ニュースと興味」機能
- Windows Defender Application GuardとWMIグループ ポリシー サービスのパフォーマンスの向上
バージョン 21H2
2021年11月16日に公開されたWindows 10の小規模な大型アップデートで、安定版のOSビルドは19044である。一般向けの名称はWindows 10 November 2021 Update。このバージョンでも、セメスターと一般向けバージョン名は同一であるが、互換性の問題により、システム内部では本バージョンはバージョン 20H2やバージョン 21H1同様「バージョン 2009」として処理されている。 これは、Windows 10 の 13 番目のバージョンで 12 番目のメジャー アップデートである。
このバージョンは、「有効化パッケージ」(EKB)を使用した方式で提供された。この方式では、バージョン 21H2の機能はバージョン 2004、バージョン 20H2やバージョン 21H1の通常の定例アップデートで配信され、デバイスにインストールされる。ただしこの時点では新機能は無効になっており利用できない。ここに「有効化パッケージ」をインストールすることで、初めて新機能が有効になり、バージョン 21H2へのアップデートが完了するのである。 従って、新旧のバージョンのシステムは全く同じであるので、バージョン 21H2へのアップデートは短時間で終了する。一方で、デザインの再設計を含むような大規模なアップデートはこの方式ではできないため、本アップデートは比較的小規模なものになっている。
Home/Pro エディションは2023年6月13日で、Enterprise/Education エディションは2024年6月11日で、それぞれサポートが終了しているが、LTSC 版のみ2027年まで(IoT Enterprise LTSCに限り2032年まで)サポートされる。
主な新機能は次の通り。
- Wi-Fi 6E のサポート
- Windows Subsystem for Linux (WSL) および Azure IoT Edge for Linux on Windows (EFLOW) のデプロイでの GPU コンピューティングのサポート
- Windows Hello for Business の新しい簡素化されたパスワードなしの展開モデル
- WPA3 Hash-to-Element (H2E) 標準のサポート
バージョン 22H2
2022年10月18日に公開された、Windows 10の小規模な大型アップデートで、Windows 10の最後のバージョンである。安定版のOSビルドは19045である。一般向けの名称はWindows 10 2022 Update。このバージョンでも、セメスターと一般向けバージョン名は同一であるが、互換性の問題により、システム内部では本バージョンはバージョン 20H2以降の各バージョン同様「バージョン 2009」として処理されている。 これは、Windows 10 の 14 番目のバージョンで 13 番目のメジャー アップデートである。
このバージョンは、「有効化パッケージ」(EKB)を使用した方式で提供された。この方式では、バージョン 22H2の機能はバージョン 20H2、バージョン 21H1やバージョン 21H2の通常の定例アップデートで配信され、デバイスにインストールされる。ただしこの時点では新機能は無効になっており利用できない。ここに「有効化パッケージ」をインストールすることで、初めて新機能が有効になり、バージョン 22H2へのアップデートが完了するのである。
従って、新旧のバージョンのシステムは全く同じであるので、バージョン 22H2へのアップデートは短時間で終了する。一方で、デザインの再設計を含むような大規模なアップデートはこの方式ではできないため、本アップデートは比較的小規模なものになっている。
2025年10月14日をもって全エディションのサポートが終了する予定であるが、有料の「延長セキュリティ更新プログラム」(ESU)が2028年まで提供されることになっている。
Active Development Builds
開発途中の新機能が配信されるが、従来のような特定のリリースを目当てとしたものではなく、またこれらのビルドで配信された新機能が必ずしも一般リリースされるとは限らない。
コードネームは次の通り。
- ビルド 19536〜19645: Manganese
- ビルド 20150〜20279: Iron
- ビルド 21277〜21390: Cobalt
脚注
注釈
出典

![]()


