舊城寺(きゅうじょうじ)、または旧城寺は、神奈川県横浜市緑区三保町にある高野山真言宗の寺院。山号は久保山。旧榎下城跡に立地する。武相寅年薬師霊場の第1番札所。
概要
恩田川(鶴見川支流)の氾濫原に面した舌状台地の先端に位置する。
1830年(文政13年)成立の『新編武蔵風土記稿』都筑郡久保村の箇所には「舊城寺。除地、五段許、村の北の方にあり。是も同く三會寺の末、久保山と號す。客殿六間に七間南向なり。本尊大日坐像にして長六寸許。開山を詳にせず。」とあり、『風土記稿』成立時点で開山者は不明となっているが、慶長8年(1603年)頃、この地を隠居所としていた佐藤小左衛門氏が開基したという。
境内は永享年間(1429年-1441年)に宅間上杉家の上杉憲清が築城したと伝わる「榎下城」の城跡であり、本堂のある地点と、その背後の平坦な面が曲輪で、土塁などの遺構が良く残されている。
武相寅年薬師霊場の第1番札所であり、薬師堂に奉られる薬師如来像は、両眼の無い像容で無眼薬師として知られ、眼の病に利益があると信仰されている。秘仏で寅年ごとに開帳をする。
1935年(昭和10年)10月、『横浜貿易新報』の読者投票により県下名勝史蹟四十五佳選に選定された。
文化財
境内や斜面地に広がる山林は、「旧城寺の寺林」の名称で1980年(昭和55年)2月15日に県の天然記念物に指定されている。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 平井聖ほか 1980「榎下城」『日本城郭大系』第6巻(千葉・神奈川)pp.317-318 新人物往来社
- 「久保村 舊城寺」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ88都筑郡ノ8、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:763987/111。
関連項目
- 榎下城
外部リンク
- 高野山真言宗舊城寺HP




